研究課題/領域番号 |
18K03610
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松尾 泰 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (50202320)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 双対性 / 量子変形 / 可解系 / ゲージ理論 / ストリング理論 / Dブレーン / 表現論 / 対称性 / Q変形 / q変形 / 位相的ストリング / 行列模型 / コセット空間 / 可解理論 / トロイダル代数 / インスタントン / 次元酸化 / 境界状態 / 共形代数 / 量子トロイダル代数 / ミニマル模型 / ブレーン / 量子群 / 可解模型 |
研究実績の概要 |
主な研究対象である量子トロイダル代数とその表現について、これまでよく調べられてきた無限次元代数、Virasoro代数、W代数、W無限大代数、およびその量子変形代数にとの関係に重点を置いた総合的なレビュー論文を執筆中である。特に、これまで力を入れてきたqq-指標とDブレーン、可解系とDAHA代数との関係、ストリング理論のコンパクト化との関係などについて詳しく調べまとめている。なお、論文はレビューのみでなく、より一般的な代数、たとえばcorner VOA代数などの極小モデルの研究など、新規の内容も多く含まれている。 また、量子トロイダル代数の新たな応用として分数量子ホール効果、とくに非可換量子ホール効果について考察し、これまでなされてきた研究を数学的な表現論に基づいて記述する新たな試みを開始した。この研究は90年代くらいに盛んに研究された量子ホール効果の場の理論的な研究を、より数学的な視点で再構成することを目指している。関連する量子トロイダル代数は非可換群に関係づけられるものであり、最近数学で発展している表現論を応用することができることが期待できる。 また、高次元の共形不変性を持つ系について、DAHA代数との関係について研究を開始した。この場合、先行研究によりBC型のCalogero系との関係が成り立つことが知られているが、DAHA代数との対応関係を用いると量子トロイダル代数と結びつけることが可能なはずである。高次元系に無限次元代数を応用する例はあまり知られていないので詳しい解析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画の多くの目標についてすでにある程度満足できる結果が得られ、昨年度までにその多くを出版した。本年度はそれをまとめ上げていくステージにあり、レビュー論文の執筆が開始できたことについては、研究を一段落させたと考える。 また、新たな応用として非可換ホール効果や、高次元の共形場理論が現れてきた点については将来につながる研究結果が表れつつあることとして満足している。 ただし、結果的に年内に論文を一本も出版できなかったことについては、様々な要因があったとはいえ、課題が残った一年であったと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
レビュー原稿についてはほぼ書き終わっているので数か月以内に完成予定である。これにより今回の研究課題の研究については一段落をつける形にしたい。 また、量子ホール効果関係の研究は最初の論文を数か月以内に終わらせ、発展的な課題も含めて本年度中に目星をつけたいと考えている。 また、高次元の共形場理論への応用については、研究の端緒についたところであるが、本年度中にある程度の結果を出し始めたいと考えている。
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