研究課題/領域番号 |
18K03612
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
綿引 芳之 東京工業大学, 理学院, 助教 (40212328)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 量子重力 / W代数 / Jordan代数 / THT膨張 / インフレーション / 編み上げ機構 / Coleman機構 / 弦理論 / 量子重力理論 / W演算子 / 因果力学的単体分割 / 時空の誕生 |
研究実績の概要 |
宇宙背景輻射と宇宙加速膨張の2種の観測精度が,近年著しく向上したことで,宇宙定数を導入したフリードマン方程式は宇宙膨張を正しく記述しないことがわかってきた。前者は宇宙初期,後者は最近の宇宙膨張を観測するものだが,現在のハッブルパラメーター,つまり,ハッブル定数は,これら2種の観測で矛盾が生じることがわかったのである。これをハッブル定数問題という。さらには,宇宙膨張の揺らぎについても,こちらはS8問題と呼ばれる問題と関係するが,2種の観測で同様な矛盾が生じる。 ところが,我々の2021年度以降の研究で,W演算子による量子重力理論から導かれる修正フリードマン方程式がこれらの問題を持たないことを発見した。ハッブル定数問題とS8問題を解決するのである。
宇宙定数を導入したフリードマン方程式では,宇宙定数が宇宙加速膨張を生み出す。一方,W演算子による量子重力理論から導かれる修正フリードマン方程式では,我々の宇宙から分離し瞬時に消滅する無数の赤ちゃん宇宙が宇宙加速膨張を生み出す。量子重力理論特有の現象が宇宙加速膨張を引き起こすのである。どちらのフリードマン方程式も宇宙加速膨張を説明するのだが,その振る舞いはわずかに異なる。ところが,そのメカニズムは大きく異なり,宇宙加速膨張の原因が,従来のフリードマン方程式では宇宙定数である真空のエネルギーであったのに対し,修正フリードマン方程式では瞬時に消滅する無数の赤ちゃん宇宙,すなわち,時空がハリセンボンの針のような形を持っていることがわかった。これは注目に値する事実で,もし修正フリードマン方程式が正しければ,宇宙加速膨張の観測が時空の針状構造の観測と同義になり,我々人類は時空の針状構造を初めて観測することとなり,物理学の歴史上,重要な発見となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2020年度と2021年度は新型コロナの影響で出張ができなかったこと,および,当初予定していた研究で思わぬ大きな発見があったことで,研究の予定が大きく変わってしまった。出張がままならなかったため,国際会議の出席をオンラインで何度かすることになったが,初めて出席する宇宙論の会議では自分が専門外であったこともあり,オンラインによるコミュニケーションは難しかった。しかし,自身一人で考える時間が増え,宇宙の加速膨張について思わぬ大きな発見をすることになった。結果としては,計画以上に進展したと言える状況である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度までの研究では,W演算子による量子重力理論から導かれる修正フリードマン方程式がハッブル問題やS8問題のような深刻な問題を持たないことを発見したが,今後の研究では,これらの研究結果を研究会などで大いに宣伝し,多くの専門家と議論することでさらに深い理解を得たいと考えている。
また,理論的な側面の研究はまだまだ至らない状況なので,今後はこちらの方面の研究も進める予定である。ただし,数学的な構造の理解だけでなく,大きな局面を開くことになった宇宙論にかかわる問題の解析も平行して進めるつもりである。
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