研究課題/領域番号 |
18K03628
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
井上 貴史 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (80407353)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 中性子星 / ハイペロン / 量子色力学 / 格子場の理論 / バリオン間力 / 離散化誤差 / 状態方程式 / 化学ポテンシャル / 格子QCD |
研究実績の概要 |
本研究課題は、中性子星のハイペロン問題に、基礎理論である QCD の数値計算に基づいて挑戦するものである。すなわち、中性子星の核にハイペロンは存在するのか否か、もし存在するのであれば、太陽質量の2倍を越える中性子星はどの様に支えられているのか、もし存在しないのであれば、自然な予想に反して超高密度物質のなかにハイペロンが混ざらないのは何故なのか、を明らかにしようとしている。ここで、ハイペロンとはストレンジネスを持ったバリオン(陽子や中性子の仲間)であり、Λ,Σ,Ξ粒子などが存在する。この問題を解く鍵はハイペロンと核子の相互作用である。ハイペロンの相互作用は実験的な情報が乏しいので、本課題では大規模な格子 QCD の数値計算を実施し、基礎理論から導出した。この部分は研究協力者を含めた共同研究グループ HALQCD の下で行った。この相互作用を引き出すには、我々が独自に開発した強力な手法 HALQCD 法を用いている。2021年、ドイツの研究グループから、HALQCD 法で引き出した相互作用が用いた格子の間隔に強く依存する、と指摘する論文が出版された。その指摘に対応するため、 実際に格子間隔を変えた HALQCD 法で相互作用を引き出して比較する検証を開始した。この検証には、クォーク質量は同じだが格子間隔は異なるゲージ配位の集合が、2つないし3つ必要である。本年度は、理研 R-CCS の大型計算機「富岳」を用いて、その様なゲージ配位の生成を行い、続いて相互作用の引き出しを行った。その結果、格子間隔への依存性が無視できない事が判明した。この結果を日本物理学会2024年春季大会にて発表した。現在はさらなる検証を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は中性子星のハイペロン問題を基礎理論から解明する事を目指しているが、実績の欄で述べた様に、他研究グループからの指摘を受けて、本研究の基盤として用いている独自に開発した方法の検証が必要になった。これは計画の段階では予定しなかった事であり、その意味で、計画と比べて遅れが発生していると言える。また、今年度は昨年度までの新型コロナ感染症による出張自粛の影響が引き続きあり、共同研究者との対面での打ち合わせが十分にできなかった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は中性子星のハイペロン問題を基礎理論から解明する事を目指しているが、実績の欄で述べた様に、他研究グループからの指摘を受けて、本研究の基盤として用いている独自に開発した方法の検証が必要になり、予定を変更してこれに取り組んだ。具体的には、基礎理論から引き出したハドロン間相互作用が用いた格子の間隔に強く依存するか、の検証を行った。その結果、依存性が無視できない事が判明した。今後は、まず、依存性の程度の確定を急ぎたい。そして対応策の構築へと繋げたい。具体的には、これらを目標に、ゲージ配位の生成と相互作用の引き出しを理研 R-CCS の富岳を用いて進める。この研究の成果は他の格子 QCD 計算への影響も大きく非常に重要なので、仮に、この追加研究で研究期間が終ってしまい当初の目標が達成できなかったとしても、十分に意義のある計画変更であると考えている。
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