研究課題
基盤研究(C)
重力波検出器の主要な雑音である熱雑音を低減するため、次世代検出器では鏡を低温に冷却する。しかし、そのような鏡の表面には、時間とともに吸着分子層が形成されていき、光学ロスを増大させる。我々は折返し光共振器を用いて、低温分子層の光学ロスと、厚みを同時に測定する手法を開発した。これによって、低温分子層の吸収係数を求め、アモルファス氷の文献値とほぼ同等であることを確認した。本研究の結果、シリコン鏡を用いた次世代重力波検出器では、低温バッフルの追加による吸着層の形成抑制、CO2レーザーを用いた吸着層の加熱脱離などの対策が必要であることが示された。
本研究では、真空中で鏡表面に形成される薄膜の光学損失と、膜厚を同時に測定する手法を開発することに成功した。またこれを用いて低温鏡の表面に形成される吸着分子層の吸収係数を求めることにも成功した。これは次世代低温重力波検出器の設計に重要な示唆を与える結果である。本研究の成果を活用することで、低温バッフルや、分子層除去システムの設計を最適化することができる。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 3件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 4件)
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