研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は、宇宙X線の公開データの解析を通じ、マグネター級の超強磁場をもつ中性子星 (NS) を連星中に探査することである。研究遂行の結果、以下の3つの新しい成果を挙げ、目的を十分に達成した。(1)X線連星パルサーX PerseiのNSが、10の14乗を超える超強磁場をもつことを確認できた。(2) 代表的ガンマ線連星LS 5039のコンパクト天体がNSであることを示すとともに、それがマグネター級の超強磁場をもつことを明らかにした。(3) 孤立マグネターが磁気変形して自由歳差運動を行うという描像を強化し、特にマグネターSGR 1900+14からは3例目となる自由歳差運動を発見した。
本課題は、以下の学術的な意義・波及効果をもつ。(1) マグネター級の双極子磁場をもつNSは連星中にも存在し、それらが特殊な天体ではないことを明かにした。(2) X Perseiと LS 5039で、連星運動から導かれたNSの質量は、典型的な1.4太陽質量よりやや大きく、2.0太陽質量程度である。これはNS内部での核物質の状態方程式にとって、新しい知見である。(3) LS 5039では、超磁場における粒子加速の結果、強いMeV帯のガンマ線が生成されることがわかった。(4)孤立マグネターの内部には、さらに強いトロイダル磁場が普遍的に潜むことを突き止めた。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)
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