研究課題/領域番号 |
18K03717
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17010:宇宙惑星科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
柘植 雅士 北海道大学, 低温科学研究所, 特任助教 (60454211)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 水素原子拡散 / 分子進化 / 氷星間塵 / 星間分子雲 / 星間塵 |
研究成果の概要 |
極低温の星間分子雲における初期分子進化過程では、氷で覆われた星間塵(氷星間塵)表面での化学反応が重要な役割を果たすことが実証されてきた。しかしながら、氷星間塵内部に取り込まれた原子・分子の、光や宇宙線を必要としない化学プロセスは明らかにされていない。本研究では氷星間塵表面に吸着した水素原子が氷内部に侵入、拡散していくかどうかを実験に基づき明らかにすることを目的とした。 本研究により、氷内部に取り込まれた原子・分子が水素と反応しうることが明らかとなった。更には、水素原子による表面反応効率が著しく減少する>20Kの温度領域においても水素原子の関わる反応が起きることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
標準的な分子進化モデルにおいては、氷表面と氷内部が異なる相として取り扱われており、水素原子による反応は極低温(<20 K)の表面でのみ起きるとされてきた。しかしながら、本研究で見出した全く新しい反応プロセス「氷内部への水素原子侵入・拡散・反応」は、比較的高い温度(~70 K)でも有効であるとともに、氷表面に吸着する原子種が氷内部における分子生成に影響を与えることを示す。新しい反応プロセスは「光や宇宙線を必要としない氷内部の分子進化プロセス」と言い換えることができ、既存の極低温分子雲における分子進化モデルに大きな変更を要請するという学術的意義を持つ。
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