研究課題/領域番号 |
18K03719
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17010:宇宙惑星科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
倉本 圭 北海道大学, 理学研究院, 教授 (50311519)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 還元的原始大気 / 初期地球 / 流体力学的散逸 / 衝突脱ガス / 放射冷却 / 原始惑星 / 脱ガス / 原始太陽系星雲 / 還元型原始大気 / 元素分配 / 大気散逸 / 同位体分別 / 前生命的化学進化 / 系外地球型惑星 |
研究成果の概要 |
地球原始大気の形成と初期進化について、地球材料物質組成に対する最新の宇宙化学的制約を組み込んだ理論的推定を行った。金属鉄を含む地球材料物質からは、水素とメタン富む還元的な化学組成の分子が衝突脱ガスし、形成初期には原始太陽系円盤ガスも混じりながら大気に蓄積する。放射冷却等による熱損失を厳密に組み込んだ数値計算から、原始大気から宇宙空間への水素流出は、従来の推定よりも極めて遅いことが分かった。地球表層および始原的隕石物質の揮発性元素の同位体比の制約と併せ、還元的な組成の原始大気が、生命誕生期を含む初期数億年間持続する可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
1980年代後半から、地球の原始大気は水蒸気と二酸化炭素を主成分とするものと考えられてきた。これに対し、本研究では地球材料物質組成に関する最新の宇宙化学的知見を取り入れ、原始地球大気の形成と進化について理論的な再考を行った。その結果、原始地球には水素やメタンに富む大気が形成され、しかも生命誕生のタイミングを含む数億年間、このような還元的な化学組成の大気が持続する可能性が高いことが分かった。還元的な原始大気は、生命に至る化学進化の場として有望であることが知られており、本成果は、地球上における生命の起源論に弾みをもたらすものである。
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