研究課題/領域番号 |
18K03776
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
福田 淳一 東京大学, 地震研究所, 准教授 (70569714)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | パラメータ推定 / 余効変動 / 余効すべり / 粘弾性緩和 / レオロジー / 事後確率分布 / インバージョン / データ同化 / 物理モデル / 測地データ / 断層摩擦特性 / GNSS / 断層すべり |
研究実績の概要 |
測地学的に観測される余効変動は主に断層における余効すべりとマントルの粘弾性応力緩和の寄与の和であると考えられている。従って、余効変動の観測データに基づき、断層の摩擦特性やマントルのレオロジーを明らかにすることができると考えられる。本研究では、応力によって駆動される余効すべりと粘弾性緩和の物理モデルを用いて、断層の摩擦構成則のパラメータやマントルのレオロジーのパラメータの空間分布を測地データに基づいて推定する手法の構築を行っている。パラメータの最適値のみならず、その不確実性を明らかにするために、本研究ではパラメータ推定の逆問題をベイズ的に定式化し、パラメータの事後確率分布を推定することを目指している。しかし、パラメータの空間分布を推定する問題では、未知パラメータ数が非常に多くなるため、事後確率分布推定は計算コストが非常に高く困難である。事後確率分布を現実的な計算コストで推定するために、iterative ensemble smootherに基づく近似推定手法を開発した。この手法では、事前確率分布からサンプルを観測データとモデル計算結果に基づいて反復的に更新し、最終的に事後確率分布を近似するガウス分布からのサンプルを得る。この手法の性能を評価するために、モデルを用いて人工的なGNSS時系列データを作成し、このデータからモデルのパラメータ(断層の摩擦構成則のパラメータ、マントルのレオロジーのパラメータ、地震時の応力変化等の空間分布)の事後確率分布を推定した。その結果、推定された事後確率分布の平均が真値を良く再現できることを確認した。また、地震時の応力変化が大きい場所でパラメータの不確実性(事後確率分布の標準偏差)が小さいという妥当な結果が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は、余効変動の物理モデルに対してパラメータの空間分布とその不確実性を推定する手法を構築し、人工的なGNSS時系列データを用いて手法の妥当性を確認することができた。従って、本研究課題は研究目的に沿っておおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度に構築を進めた手法には、推定の精度や計算コストに影響を与える内部パラメータがいくつか存在する。これらのパラメータについての検討が不十分であるため、人工的なデータを用いた数値実験により検討を行う。さらに、この手法を現実の余効変動の観測データに適用する。
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