研究課題/領域番号 |
18K03782
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
永嶌 真理子 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (80580274)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 結晶質 / 非晶質 / メタミクト / ラマン分光 / クリノゾイサイト / 偏光ラマン / 結晶性 / 原子配列 / 岩石・鉱物・鉱床学 |
研究成果の概要 |
天然Cr+Vクリノゾイサイトで観察された放射性元素に起因しない結晶性低下という未知現象に関して,偏光顕微ラマン分光を用いて実態を把握し,その原因と発生メカニズムを検討した。本研究の結果,現象の実態は「原子配列の周期性に乱れがない同方位を持つ結晶子が断片化して,それらの境界領域の結晶性が低下している状態」と理解された。結晶子の断片化は,M3八面体のV(+Cr)の分布によって無秩序配向が促進されたOH基の水素イオンが構造内ユニット間の結合を阻害するように作用した結果,規則性のある原子配列に欠陥を生じさせることで発生すると解釈される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
天然鉱物では含まれる放射性元素の壊変に起因する非晶質化がよく知られており,結晶質固体物質における結晶性の変化は物質の特性を大きく左右する重要な現象である。私は2011年に天然鉱物から放射性元素に起因しない未知の結晶性低下現象を見出したが,当時はそのメカニズムは未解明であった。しかし本研究により,現象の実態を正確に把握することに成功し,さらにその原因や発生メカニズムを提唱するに至った。今後,さらなる検証を要するが,本現象は結晶質物質に普遍的に起こり得るため,本研究成果は天然・合成問わず結晶質物質を扱う分野全体に波及すると考えられる。
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