研究課題/領域番号 |
18K03785
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
武藤 鉄司 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(環境), 教授 (70212248)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | デルタ / 沖積河川 / 分流チャネル / オート層序学 / 平衡指数 / 平衡河川 / 堆積盆水深 / モデル実験 / 河川 / デルタ分流チャネル / 平衡指数モデル / 海水準 / 水槽実験 / モルフォダイナミクス |
研究成果の概要 |
デルタを造る沖積河川チャネルの動態は上流側条件(流域の地質・地形・気候・植生、河川流量、堆積物供給量など)によって決定づけられるとする考え方が主流であった。研究代表者らが提唱した平衡指数モデルは、下流側の条件(海水準とデルタ前縁海底の水深)も重要因子の一つであることを強く示唆する。上流側の条件が不変でも、デルタ前縁海底の水深が空間的もしくは時間的に変わることで分流チャネルの動態は劇的に変わる。モデル実験等の手法によりこの仮説を検証したところ、明瞭に支持する結果が得られた。この新理解により、例えば、黄河デルタではなぜ頻繁に流路変更が発生し、メコンデルタではなぜそうではないのかを容易に説明できる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
デルタを造る沖積河川チャネルの動態と変遷がデルタ前縁海底の水深に強く規制されることを実験で実証した初めての研究である。仮説を提供した平衡指数モデル(オート層序理論の一つ)を裏付けるとともに、それとは全く独立に提唱されていた海岸線自動後退理論(1992年)との統合的理解をもたらす成果が、本研究によって得られた。 下流域沖積河川の動態の理解は防災管理の観点からも重要であり、本研究成果はその方面に基礎的知見を提供する。長期的に観ると、深い海に流入する河川と浅い海に流入する河川とでは氾濫や流路変更のリスクが大きく異なるはずである。河川が流入する海域の深さに留意することの重要性に気付かせる成果である。
|