研究課題
基盤研究(C)
太陽系の天体には地球のような磁場を持っていたり,かつて持っていた天体がある。地球に似た岩石天体の磁場は,天体中心部の流体コアの熱・組成対流によって駆動されるダイナモが起源である。天体の磁場の寿命は,コア内部の金属鉄合金メルトの組成対流がどうなっているかに依存する。この研究では,Fe-FeS系コアで発生しうる組成対流のパターンが化学組成と圧力によってどのように異なるのかを明らかにした。その結果,月のような比較的小さな天体は,主に流体コアの上部から固化し,それにより組成対流が発生することがわかった。
太陽系の天体の熱的・化学的進化の詳細を理解することは,45億年前の太陽系の誕生から今日までの歴史の解明という地球惑星科学の壮大な目標の重要な部分を占める。天体の磁場はその熱的・化学的現象の結果であり,衛星によって観測される磁場は天体の熱的・化学的進化の記録を残している。天体の磁場の起源である流体コアの組成対流を理解することは,観測された天体の磁場からその熱的・化学的進化を読み解く鍵を与える。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件)
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