研究課題/領域番号 |
18K03850
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
|
研究機関 | 湘南工科大学 |
研究代表者 |
大見 敏仁 湘南工科大学, 工学部, 准教授 (90586489)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 水素脆化 / 過大荷重 / 数値解析 / 疲労強度 / 水素濃度予測 / 疲労 / 水素濃度分布 / 材料強度 |
研究成果の概要 |
本研究では,疲労条件下での応力集中部における水素凝集メカニズムに及ぼす過大荷重履歴の影響を数値解析により明らかにし,実験的にも検証・考察を行い以下の知見を得た。 1)水素濃度に関する「過大荷重履歴」の影響について数値解析を行った。この結果,過大荷重により水素凝集が促進される条件があることが示された。また,応力多軸度により水素凝集能力を評価し,水素濃度予測式を提案した。 2)水素チャージ材に対する過大荷重のある疲労試験の実施環境を整備し,試験を実施した。き裂成長速度の加速は観察できなかったが,き裂成長経路の変化が見られた。これにより,過大荷重に依存して水素脆化敏感性が変化する可能性を見出した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水素エネルギー社会の実現に向けて,水素ガスの貯蔵設備には安価で安全な構造設計が必要とされる。一方で,比較的安価で高強度である鋼は水素脆化するが,材料中の水素濃度が上昇する条件を明らかにして水素脆化を未然に防ぐことは非常に重要である。他方,大気中の疲労では過大荷重が悪影響を与えないと考えられているが,水素雰囲気の場合については研究されていない。 本研究の成果は,単純な疲労条件の水素脆化研究をさらに進めた独創的な研究であり,水素凝集に対する過大荷重の効果を示した重要な知見を得た。社会的には,地震や衝撃など想定外の荷重が加わった後の水素脆化を予測して安全性を確保するために必要な基礎的な知見と言える。
|