研究課題/領域番号 |
18K04289
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
上野 和良 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (10433765)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 多層グラフェン / 固相析出 / 電流作用 / 低温化 / ドーピング / 低抵抗化 / 配線 / エレクトロマイグレーション / 電流の作用 / 電極・配線 / 電子デバイス / 結晶化 / ナノプロセス / 結晶性向上 |
研究成果の概要 |
多層グラフェン(MLG)は、数10nm以下の微細線幅で銅よりも低抵抗になる可能性と高い電流密度耐性から、銅に代わる集積回路配線材料の候補として注目されるが、配線工程に適用可能な低温での成膜方法と、ドーピングによる低抵抗化が課題である。本研究では、デバイス上に直接形成が可能な固相析出法において、温度以外の作用源として電流を印加し、配線工程に適用可能な400℃以下でのMLG形成を実現した。また、昇温速度や膜厚の最適化により、低抵抗につながる結晶性向上と平坦性を両立するプロセス最適化を行った。また効果的なドーピング方法として、五塩化モリブデンのインターカレーションによりMLG膜の低抵抗化を実現した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、多層グラフェン(MLG)の固相析出において電流の作用によってMLG形成反応が促進されることを初めて実験的に明らかにした。電流によるエレクトロマイグレーションのような原子の拡散促進作用は知られているが、それが固体の析出や結晶化に影響を及ぼすことがわかったことで、今後、電流の作用による化学反応や構造制御の可能性を示すものとして意義があると考えられる。また、インターカレーションドーピングにおいて、MLGの結晶性の向上が重要であることを明らかにしたことや、ひずみによる欠陥発生の問題など、MLGの実用化に向けた課題が明らかになったと考えられる。
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