研究課題/領域番号 |
18K04360
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22040:水工学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田中 岳 北海道大学, 工学研究院, 助教 (90333632)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 流出モデル / 確率応答 / 集中化 / 不確実性 |
研究実績の概要 |
洪水到達の時間が日単位となるような中規模スケール程度以上までの流域を対象として,その流域全体の洪水予測システムを構築するにあたっては,一般的に,以下のようなモデルが採用される.①流域の全体をある一つの集中型の流出モデルで代表させる.②流域の全体を複数のサブ流域に分割し,各々のサブ流域に集中型の流出モデルを用いる(集中型の流出モデルの分布).③流域の全体に分布型の流出モデルを表現する.ただし,実務の面では,貯留型流出モデルに代表されるような集中型のモデルが用いられる傾向にある. 本研究課題の目的は,この利便性をもつ貯留型流出モデルを流域全体の洪水予測システムに活用することを前提として,その適用可能な流域面積やモデルパラメータの意味付けといった,現在もなお,このモデルが抱える基礎的な課題の解決を図るとともに,降雨流出系にある様々な不確実性が洪水予測システムのなかで伝搬する過程を定量的に評価することを可能にすることである. 2022年度もその前年度に引き続き,貯留型流出モデルの強制項(降雨量),モデルパラメータ,および初期条件の不確実性(任意の確率分布で表現)が流出量の確率特性(流出量の1~4次モーメント)に与える影響を定量的に推定可能な微分方程式について,その適用限界をシミュレーションに基づき評価する予定であった.しかしながら,高次モーメントの適用限界の評価が未だ完了していないため,これを必要とする流出量の確率分布形とその確率密度関数の推定は,次年度にも引き続き取り組む予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルスの感染拡大の防止から,学会参加等による情報収集や,研究活動そのものにも影響がでてしまった.洪水予測システムに貯留型流出モデルを採用するうえで考えるべき種々の不確実性(①降雨量,②地形・地質特性,③初期の湿潤状態)についての確率論的な定式化は,次年度以降も引き続き取り組むべき状況にある.また,先に述べたように,この貯留流出モデルを用いて推定される流出量の確率特性(流出量の1~4次モーメント)についての適用限界を,評価,検討することにあたっても,同様に,解決すべき課題となっている.しかしながら,この検討は応募者が確立してきた技法が基盤であるため,次年度には研究を進展させ,取りまとめられるものと考えている.
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今後の研究の推進方策 |
集中型のモデルである貯留型流出モデルを実流域に適用するにあたっては,流域面積の制限や,モデルに含まれるモデルパラメータの物理的な意味付けなど,基礎的な課題の解決が求められる.本研究課題では,微分方程式の解として導出される貯留流出モデルの確率特性(流出量の1~4次モーメント)に基づき,それらの課題の解決を図る.新型コロナウィルスの感染拡大から研究活動の進捗状況に遅れが生じているが,この技法は応募者が確立してきたものであるため,先に述べたように,次年度には研究を進展させ,これと同時に流域スケールを山地域の中小河川流域にまで拡大させて,その流出量の確率特性を推定することにも取り組み,これまでの成果を統合することで,研究目的を達成させる予定である.
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