研究課題/領域番号 |
18K04552
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
|
研究機関 | 横須賀市自然・人文博物館 |
研究代表者 |
菊地 勝広 横須賀市自然・人文博物館, その他部局等, 主査・学芸員 (80321892)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 横須賀製鉄所 / 横須賀造船所 / 建築技術史 / 日仏交流 / 技術移転 / フランス / 中国 / ヴェルニー / メラング / ティボディエ / 技術史 |
研究実績の概要 |
最新の研究成果については論文化が進んでいないため、当該年度の研究実績については、おおまかな概要の記載に留めざるを得ないものの、今後の研究進展につながる幾つかの細かな成果は得られているので、そのいくつかを報告する。 まず、横須賀製鉄所の施設について、同時代の対比的考察対象の研究を進めた結果、ある程度の数量の対象施設が存在すること、および中国における同時代のフランス系技術導入の類似施設の史料群の存在を知ったことにより、これを今後の研究発展の契機と捉え、研究を遂行している最中である。当該史料群にどれだけ建築史的分析に資する史料が含まれるかは調査中で不詳であるが、施設全体として捉えて横須賀製鉄所との比較分析を進める中で新たな着眼点が見いだせる可能性もあると考え、史料群の全体像を俯瞰する作業を継続しているところである。 また、横須賀製鉄所着工前における日本人側の西洋の建築、建設技術に関する予備知識の存在に関する調査研究にも視野を広げ、俯瞰的に調査を進めた結果、横須賀製鉄所の建設に携わった日本人の中には、その起工前に西洋の建設技術に関する経験や知識を有していた者の存在が確認された。本申請課題では、この気づきを重視し、更なる調査研究を進めたい考えで、近世史分野の専門家の指導協力を得ることなども視野に、その研究推進策について検討を進めていることろである。この件については、事例の一端のみでも提示しておきたいと考えており、今後の当該分野の進展と深化につながる重要な研究課題として取り組む計画である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
海外の対比的考察対象の施設調査や海外所在の歴史史料調査といった、国外での調査が計画より進んでいないこともあり、やや遅れていると評価している。しかし、横須賀製鉄所と同時代の中国の造船所に関する史料が日仏交流史分野の専門家等の協力を得ていくつか確認できたため、海外調査の不足分を補う、有意義な成果に結びつく可能性もある史料群の存在を把握できた点は進展であった。これらの史料群が建築史的分析にどれだけ耐え得るかは今後の分析を待つ必要があるが、少なくとも近現代史上では多少なりとも示唆を与える成果に結びつく可能性があると考え、引き続き、研究の進捗状況の改善に努めたいと考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
横須賀製鉄所と同時代の中国の造船所に関する史料が日仏交流史分野の専門家等の協力を得ていくつか確認できたため、今後は、当該部分の解釈に集中して取り組むことにより、研究推進策の精度を高める計画である。日仏交流史や中国近代史などの専門家からの指導助言や協力も仰ぎながら、当該分野の研究を進め、横須賀製鉄所、横須賀造船所との対比的研究を進展させる計画である。また、横須賀製鉄所着工前における日本人側の西洋の建築、建設技術に関する予備知識の存在に関する調査研究にも視野を広げた調査研究の推進にも力を入れ、本申請課題の研究の推進方策の柱の一つにしていきたいと考えている。
|