研究課題/領域番号 |
18K04879
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田中 之博 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (00281791)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 熱ダイオード / 熱整流効果 / フォノンダイオード / 非平衡分子動力学法 / 非対称散乱体 / 熱整流 / グラフェンナノリボン / 構造欠陥 / 単層カーボンナノチューブ / グラフェンシート / 欠陥 / 格子力学モデル / 熱伝導 / 熱コンダクタンス / カーボンナノチューブ / 整流効果 |
研究成果の概要 |
本研究は、我々が以前に提案したフォノンの整流機構に基づいて、熱流をある特定の方向に強く流すことのできる「フォノンダイオード」を開発した。具体的には、熱伝導性の極めて優れたグラフェンナノリボンに恣意的に三角形の構造欠陥を導入することによって、熱の非対称な伝導を発生させるデバイスを設計した。非平衡分子動力学シミュレーションを用いて、設計された熱ダイオードの熱整流効果を系統的に調べたが、期待される熱整流効果は得られなかった。しかし、三角形の構造欠陥にフォノンの経路を制限する線欠陥を加えたデバイスを設計したところ、低温領域(約50K)において、おおよそ23%の熱整流効率を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
電気回路におけるダイオードの発見がエレクトロニクス産業の大きな発展に寄与したのと同様に、熱を一方向に流すことのできる熱ダイオード(フォノンダイオード)の開発は、学術的にも工学的にも大変重要である。熱の整流デバイスは未だに開発されておらず、この研究の成果は、次世代のナノデバイスにおける熱の制御の新たな展開をもたらすと期待される。具体的には、ナノ電気力学系の駆動の際に発生する熱や雑音を素早く取り除くためのデバイスに応用が考えられるが、我々が得た熱整流効率(50Kで23%)では実用上は応用が難しく、更なる熱整流効率の向上が必要である。
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