研究課題/領域番号 |
18K04922
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
梅原 出 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (90251769)
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研究分担者 |
脇舎 和平 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 助教 (50781465)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 熱磁気量効果 / 圧力 / 単結晶 / 磁気冷凍 / メタ磁性 |
研究実績の概要 |
巨大な熱磁気量効果を示すGd5SixGe5-xの系に注目した。初年度は、(1)このシステムでGd5Ge4の高圧下での磁気特性を吟味すること。(2)磁気熱量測定用の圧力セルを作成する事 の2点を重視して研究を行なった。加えて、関連物質の開発も行った。(1)Gd5Ge4の高圧下での磁気特性について ①チョコラルスキー法による単結晶の育成に成功した。②既に開発済みの小型圧力セルを用いて圧力下での磁化測定を行った。③上記の研究結果により、c軸方向では基底状態が反強磁性状態にあったものが0.5GPa以下の比較的低い圧力下で強磁性に変化する事が分かった。(2)磁気熱量測定用の圧力セルを作成した。(3)関連物質の作製Gd5Ge4の関連物質であるNd5Si4やPr5Si4の単結晶が同様の育成方法で育成する事ができた。さらに、これらの物質の磁気特性・電気特性の実験的研究を行った。結晶構造を反映した極めて異方的な磁気特性を有している事、水素の液化を計画する際は磁気転移点、磁気特性がこの目的によく合致していることなどが分かった。2年目から最終年度においては、初年度の成果に基づき、磁気冷凍冷却実験が行えるセルを開発し、MPMSに実装した。結果、極めて有効な磁気冷凍実装システムの構築に成功した。このシステムを用い、Gd5Ge4の磁気冷却テストを行った。Gd5Ge4は、磁化測定の結果から、極めて良好な磁気冷凍が期待されていたが、実装試験の結果は、磁化測定の結果から期待される冷却能力を有さないことがわかった。これは、現在行われている磁気特性の測定のみから、磁気冷凍能力を議論する研究のトレンドに警鐘を鳴らす結果となっている。初年度、単結晶育成に成功した、Nd5Si4やPr5Si4について、右手系、左手系のカイラリティの作り分けができることが判明し、今後の磁性物理学に新たな道を開き得る系を発見した。
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