研究課題/領域番号 |
18K04931
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
前川 雅樹 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 先端機能材料研究部, 主幹研究員(定常) (10354945)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 陽電子消滅 / 空孔誘起磁性 / スピン偏極陽電子 / イオンビーム照射 / d0強磁性 / カチオン原子空孔 / 窒化ガリウム / ガドリニウム注入 / 酸化亜鉛 / 原子空孔 / 半導体物性 / 磁性制御 |
研究成果の概要 |
原子空孔の局在スピンの高感度検出が可能なスピン偏極陽電子消滅法を用いて、空孔誘起磁性におけるカチオン原子空孔説から予測される窒化ガリウム(GaN)の強い磁性発現と、光照射による荷電状態変化・磁性制御を検証し、カチオン原子空孔説の妥当性を調べた。窒素イオン照射ではGaNには磁性はほとんど誘起されず、原子空孔にも顕著なスピンの局在は見られなかった。光照射による変化にも乏しく、カチオン原子単空孔の磁性誘起は非常に弱い。一方で、ガドリニウム照射で生成したGaGdNでは、空孔クラスターが発生した場合に顕著な磁性強化が検出された。空孔誘起磁性は単空孔以外の欠陥構造でも誘発されることが明らかとなった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
空孔誘起磁性は、半導体デバイスの極省電力化が期待されるスピントロニクス材料開発において注目されている現象であるが、肝心の空孔と磁性の関係はほとんど明らかになっていない。その理由の一つとして、空孔に誘起したスピンを高感度に測定できる手法が存在しなかった事がある。スピン偏極陽電子消滅(SP-PAS)法はそのような要請に答えうる現在唯一の方法といえる。本研究ではSP-PAS法を用いて、空孔誘起磁性の礎となっているカチオン原子空孔説の予測を検証し、より強い磁性発現への道を探った。本研究ではこれまであまり注目されてこなかった空孔クラスターの磁性への関与を明らかにし、今後の材料開発の発展に寄与した。
|