研究課題/領域番号 |
18K05145
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
堀 彰宏 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (50595064)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 水素 / 液化技術 / 核スピン転換 / 触媒 / 吸着 / 水素ガス / エネルギー / 多孔性金属錯体 / ガス吸着 |
研究実績の概要 |
本研究では、ボイル・オフ問題解決に向けた材料を開発することで、水素液化貯蔵、輸送技術の発展に貢献する。この問題を解決するために、気体状態で核スピンを高速かつ完全に変換する材料が求められている。磁性で修飾したナノ空間材料 MOF を開発し、ナノ空間を開発し、ナノ空間で水素の運動状態を制限した状態で強電磁場を与え、完全パラ水素化を可能にする。本年度は、Cu イオンとイソフタルサン誘導体を用いることでカゴメ格子を有する MOFを 3 種類合成することに成功した。イソフタルサン誘導体の置換基を変更することにより細孔径を 3.4~7.6 Å まで制御することができた。水素の分子直径が3.1 Å であることを考慮すると、カゴメ型 MOF のナノ空間は、水素の運動を制御し、オルソ水素のスピン転換に必要な有効電場勾配を与えることが期待される。合成したカゴメ型 MOF に水素を導入した状態でのラマンスペクトル観測に成功した。観測したラマンスペクトルから、オルソ・パラ比および転換時間を見積もることに成功した。35 K では水素の分子径よりも少し大きい 4.8Å; の細孔径を有する MOFが最も転換効率が良いことが分かった。材料設計として1次元のシリンダー状の細孔で考えたときオルソ・パラ転換効率は、MOF 内部への細孔内拡散が大きく寄与する。一方で、どの試料においても水素の液化温度である 20 K よりも高温のガスの状態で、オルソ・パラ転換が実現できていることから、合成した MOF 細孔は、水素を強く細孔内に束縛し、核スピン転換に有効な電場勾配による摂動を付与していることが明らかになった。これにより、MOF の空間制御によるオルソ・パラ転換材としての優位性が認められ、水素液化技術に寄与できると考えられる。
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