研究課題/領域番号 |
18K05148
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 大同大学 |
研究代表者 |
田中 宏昌 大同大学, 教養部, 准教授 (20392029)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 窒素固定 / 金属錯体 / 窒素 / ヒドラジン / アンモニア / 反応機構 / 理論計算 / 鉄錯体 / 反応機構解析 / 分子触媒 |
研究成果の概要 |
窒素分子をアンモニアを経由せずにヒドラジンに変換するのは困難なプロセスである.最近,東京大学西林研が,ピンサー配位子を持つ鉄錯体が,窒素をアンモニアだけではなくヒドラジンにも触媒的に変換できることを示した.本研究では,窒素分子を直接ヒドラジンに変換する分子触媒の開発を目指して,この鉄錯体による窒素分子変換機構を詳細に理論解析した.その結果,ある中間体の生成が反応性とヒドラジン選択性を決めていることを見出した.この知見に基づいて合成された新規鉄錯体は,従来の鉄錯体の20倍以上の触媒活性を有し,ヒドラジン選択性も10%以上向上した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒドラジンは医薬品原料に用いられる窒素化合物で,工業的には窒素から合成したアンモニアを酸化することで製造されている.アンモニアが安定な化合物であるため,窒素からヒドラジンを直接合成するのは困難で,合成にはまわり道を強いられている.最近,金属錯体触媒による直接合成の成功例が報告された. 本研究では,効率よく高選択的にヒドラジンを合成するための触媒設計指針を得るべく,反応機構を詳細に理論解析した.得られた理論的知見を元に,新たな金属錯体が合成され,大幅な触媒活性と選択性の向上を達成できた.今後も,実験と理論計算を組み合わせることで,触媒開発のさらなる効率化を期待できる.
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