研究課題
基盤研究(C)
本研究課題では、モリアオガエルが産卵時に形成する泡巣の特異的な性質・謎に注目した。そこで質量分析法・次世代シーケンサー等の解析手法を駆使したところ、泡巣中に少なくとも22種類の新規タンパク質が存在し、それらのアミノ酸・遺伝子配列の解読に成功した。相同性検索の結果、22種類のタンパク質は、「受精・抗ストレス・抗炎症関連」、「抗菌・抗ウイルス関連」、「保湿・潤滑・細胞保護・構造体維持関連」に類似・分類できる事が判明した。また還元剤を用いた実験から、泡巣の形成にはジスルフィド結合が重要な働きを担っている事を明らかにした。
モリアオガエルは日本固有の両生類であり、岩手県八幡平市「大揚沼モリアオガエル及び繁殖地」に代表されるように、地域によっては国指定の天然記念物である。本研究課題で同定した22種類のタンパク質等から、保湿効果や美白作用効果を持つ生体材料が見つかれば、日本社会に対するインパクトは大きい。また化粧品以外でも、石油系ゼロの界面活性剤などサステナブルな素材が求められている。例えば、自然に優しいバイオサーファクタントは、工業用の洗浄剤、農業用の抗菌剤、バイオレメディエーション等への使用が期待できる。またペプチド・タンパク質系のバイオサーファクタントは遺伝子工学技術を用いれば、大量生産も夢では無い。
すべて 2021 2020 2019 2018 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (5件) 備考 (1件) 産業財産権 (2件)
生物工学会誌
巻: 99 号: 2 ページ: 90-91
10.34565/seibutsukogaku.99.2_90
130007990762
Zoological Science
巻: 38 号: 1 ページ: 8-19
10.2108/zs200113
210000177937
Mitochondrial DNA Part B
巻: 5 号: 3 ページ: 3365-3366
10.1080/23802359.2020.1820396
Toxins
巻: 10 号: 1 ページ: 50-50
10.3390/toxins11010050
Arch. Biochem. Biophys
巻: 668 ページ: 29-38
10.1016/j.abb.2019.05.004
Journal of Oleo Science
巻: 67 号: 8 ページ: 1035-1041
10.5650/jos.ess18051
130007429988
https://www.yomiuri.co.jp/science/20210203-OYT1T50147/