研究課題
基盤研究(C)
海洋天然物arenastatin Aの標的タンパク質の一つであるEXD3の機能阻害が、ガン細胞の増殖のみを阻害できることに着目し、本化合物由来のケミカルプローブを用いた選択的ラベル化によってEXD3の詳細な機能評価が可能になると考え、目的の機能を有するプローブの設計に向けた誘導体合成と構造活性相関研究を行なった。その結果、EXD3との結合に関与する部位の特定および細胞毒性発現に必要な立体配座の解明に成功し、有効なプローブの設計につながる重要な知見を得た。
既存の抗ガン剤の多くは正常細胞の増殖にも影響を与えるため、重篤な副作用を引き起こす原因となっていることから、ガン細胞選択的な薬効を示す治療薬の開発は急務である。本研究成果をさらに発展させることで、新たな作用機序を有する、ガン細胞選択的な増殖抑制効果を示す治療薬の創出につながることが期待される。また、EXD3に関する研究から、ガン細胞と正常細胞の増殖メカニズムの相違点を解明できれば、さらに有効な治療法の確立へと発展する可能性があるため、本研究のさらなる推進は学術的、社会的意義の大きいものであると考える。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件)
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