研究課題
基盤研究(C)
本研究では、特に種子植物シロイヌナズナとコケ植物ゼニゴケを用いて、リン欠乏時の膜脂質転換に寄与するリン脂質分解酵素ホスファチジン酸ホスホヒドロラーゼ(PAH)に着目して膜脂質転換機構の解析を行った。シロイヌナズナでは、リン欠乏時のリン脂質分解酵素とされていた非特異的ホスホリパーゼC5は、PAHと比較するとその寄与は小さく、他に未知のリン脂質分解酵素が存在していることが明らかになった。また、ゼニゴケのPAHは、生育に必須で寄与する脂質代謝経路もシロイヌナズナと同様であるが、植物体全体のリン脂質分解にはほとんど寄与しておらず、別のリン脂質分解酵素の存在が必須であることが明らかになった。
本研究は、植物における栄養欠乏ストレス耐性を膜脂質の観点から明らかにする点で基礎研究としても重要であるが、将来的には、本研究成果を利用して栄養欠乏に強い作物の開発につなげることで農業的な実用化も期待できる。そのため、本研究成果は、国内外を問わず広く一般の方々の興味を引く内容であり、国内だけでなく海外に向けた東工大からのプレスリリース、国内外マスコミへの情報提供で十分アピールでき、波及効果が高いと考えている。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (21件) (うち国際学会 5件、 招待講演 1件)
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