研究課題/領域番号 |
18K05384
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
|
研究機関 | 京都大学 (2019-2020) 東北大学 (2018) |
研究代表者 |
吉見 啓 京都大学, 農学研究科, 特定准教授 (60436102)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 糸状菌 / 菌糸接着 / 基質認識 / 基質定着 / α-1,3-グルカン / ガラクトサミノガラクタン / ECM |
研究成果の概要 |
真核微生物である糸状菌(カビ)の細胞は多糖より構成される細胞壁や細胞外マトリックス(ECM)で覆われており、栄養基質への定着・侵襲にはこれら細胞表層の物性が重要となる。本研究では、麹菌を用いた解析から、水溶性分泌多糖ガラクトサミノガラクタン(GAG)が菌糸接着因子であり、GAG糖鎖中のGalNAc残基における脱アセチル化が菌糸接着に重要であることを明らかにした。また、植物病原糸状菌を用いた解析により、ECMを介した菌糸接着の一般性を確認し、ECMの帯電状況を明らかにした。さらに、基質認識と細胞外環境応答に重要なシグナル伝達因子の解析から、糸状菌における外界認識と細胞応答についての理解を深めた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糸状菌は、バイオマス分解を介して地球規模の物質循環に寄与し、酵素生産など産業利用される種も存在する。糸状菌による固体基質の攻略はまず菌糸細胞と基質の接触から始まる。したがって、本研究により得られた細胞外分泌多糖GAGを介した菌糸接着機構についての知見は、糸状菌の生存戦略の根幹を理解する足掛かりとなり、地球規模の物質循環を支える糸状菌を制御することにも繋がる。また、本成果は、糸状菌の高密度培養技術を発展させる可能性があり、基礎科学及び産業応用の両面への波及効果が期待できる。さらに、植物病原菌における細胞表層物質の解析結果は、基質定着機構の理解を介して病原糸状菌の防除へと繋がる可能性がある。
|