研究課題
基盤研究(C)
2018~2022年度は、組換エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ(エンド)HSとSe-Met置換組換エンドHSの板状単結晶を調製し、X線結晶回析測定と単波長異常散乱法での位相決定から、分解能1.95Åの立体構造を解明した。エンドHSは、GHF85酵素類似ドメインI~IIIとC末端側の新規ドメインIVとVから構成されていた。また、分離菌Prevotella melaninogenica 由来エンドPMの3つのアイソザイムのうち、組換エンドPMαの板状単結晶のX線結晶回析から分解能2.1Åの立体構造を解明した。エンドPMαはN末端側からI~V のドメインで構成され、ドメインIは(α/β)8バレルで、触媒アミノ酸が存在する触媒ドメインであった。ドメインII~Vは異なるβバレルで、ドメインIVとVは他のGHF85酵素に存在しなかった。外膜移行モチーフを含むドメインVは、本酵素の菌体外膜移行ドメインと考えられた。低角X線散乱法で解析したエンドPMαの立体構造は非対称形で、実験散乱曲線と理論曲線のχ2 値が異なり、結晶と溶液では構造が異なると考えられた。最終年度は、GHF85酵素の3つの触媒アミノ酸に相当するエンドHSのN216 、E218、Y252の機能を検証した。1アミノ酸置換N216A、E218Q、E218A酵素の各活性は野生型酵素の1/1000以下で、Y252F酵素は1/7、GHF85酵素ではFであるY282のY282F酵素は1/50となった。2アミノ酸置換N216A/Y252F酵素は野生型酵素の1/10000以下で、N216A/E218QやE218Q/Y252F酵素と3アミノ酸置換N216A/E218Q/Y252F酵素の活性は検出不可であった。エンドHSはE218を中心に、N216、E218、Y252、Y282の4アミノ酸残基が触媒部位を構成していると考えられた。
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Abstract and Proceeding Book of 30th FAOBMB & 8th BMB Conference (https://www.bmbconference.org/faobmb2023/wp-content/uploads/2023/12/FAOBMB_2023_Abstract-Book.pdf)
巻: - ページ: 402-408
Biomolecules
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