研究課題
基盤研究(C)
半数体特異的mRNAの球状精細胞での保存と、伸長精細胞での翻訳活性化に伴う脱アデニル化について解析を行った。翻訳が抑制されているmRNAには、すでにキャップ結合タンパク質eIF4Eおよびポリ(A)鎖結合タンパク質PABPC1が結合していた。また、グローバルな翻訳抑制にかかわると考えていたRNA結合タンパク質YBX2が、半数体特異的mRNAの安定化・保存に関与することが示唆された。一方、ラダー状の段階的脱アデニル化中間体の形成には、ポリ(A)鎖結合タンパク質と一般的な脱アデニル化酵素が関わっていること、また半数体特異的mRNAおよび伸長精細胞に特有な現象ではなく、普遍的であることが判明した。
精子の形づくりにかかわるタンパク質をコードするmRNAは、球状精細胞期に転写され、伸長精細胞で翻訳されるまで数日~1週間程度保存される。この現象は、40年ほど前から知られており、魚類から哺乳動物まで共通である。本研究で得られた成果は、生殖生物学における基本原理のみならず、精子形成異常に起因する男性不妊症の原因解明の一助となり得る。
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