研究課題
基盤研究(C)
脱粒性は自然界で種子の拡散に重要ですが、作物においては収穫量の減少につながるため、重要な農業形質です。本研究では、次の2つのアプローチによって、イネの種子脱離現象を解析しました。まず、ガンマ線照射で得た変異体から脱粒性の変異系統を選抜し、詳細な観察を行いました。次に、これら変異体と野生型を交配し、F2個体での脱粒性分離を調査しました。さらに、MutMap解析で候補遺伝子を特定し、ゲノム編集によりその機能の証明を目指しました。また、qSH1遺伝子のSNP改変により、望まれる脱粒性のイネ品種を作出することを目指しました。
本研究の学術的意義は、イネの脱粒性に関する新規遺伝子の特定と、その機能を明らかにした点にあります。ガンマ線照射とMutMap解析を用いたアプローチは、他の作物の改良にも応用可能であり、遺伝子編集技術の発展にも寄与します。社会的意義としては、収穫量の向上と安定供給に貢献する脱粒性制御の技術開発が挙げられます。これにより、農業生産性が向上し、食料安全保障に貢献するだけでなく、農家の経済的負担の軽減にも寄与します。さらに、多様な環境や市場のニーズに応じた品種改良が可能となり、持続可能な農業の実現に寄与します。
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The Horticulture Journal
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10.2503/hortj.UTD-340
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