研究課題/領域番号 |
18K05600
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39020:作物生産科学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
松浦 朝奈 東海大学, 農学部, 教授 (30299672)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2018年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 雑穀 / 種間差異 / スベリン / 成長 / 低酸素耐性 / 破生通気組織 / 不定根 / リグニン / 耐湿性 / 根毛 / 養水分吸収 / 低酸素 / 通気組織 / millet / grain yield / hypoxic stress / aerenchyma / 冠根 / 酸素濃度 / ナトリウム |
研究成果の概要 |
アワ,コルネ,テフ,およびヒエを用いて,不定根の酸素獲得機構と個体の成長との関係を調べた。低酸素耐性2種(テフとヒエ)の根の成長、葉と茎の窒素含有率、および植物あたりのナトリウム含有量は、低酸素処理によって変化しなかった。一方、低酸素感受性2種(コルネとアワ)では、根の成長、葉と茎の窒素含有率が減少し、植物全体のナトリウム含有率が増加した。低酸素耐性2種の不定根の中心柱の面積の割合(酸素消費)は、低酸素感受性2種よりも小さく、恒常的に破生通気組織が発達(酸素供給)した。一方,ROLバリア(酸素漏出防止)を構成すると考えられているスベリンやリグニンには明らかな種間差異は認められなかった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
温暖化の進行により,世界各地で洪水のリスクが増加している.畑作物は一般に湿害に弱く,世 界各地で農業生産を低下させる問題となっている.湿害の主な要因は根の酸素不足であり,低酸素に対する代謝適応では生存や成長は限定的であるため,形態的な適応が不可欠であるとされてきた.本研究では,低酸素下で旺盛に成長する雑穀は,根からの酸素漏出防止ではなく根への酸素供給と酸素消費に関わる破生通気組織と中心柱の面積の割合が重要な形質であることを明らかにした.このことは,今後の耐湿性植物の育種と栽培管理を通じて,湿害条件下での食料生産向上に貢献できるものと期待される.
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