研究課題/領域番号 |
18K05643
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
入枝 泰樹 信州大学, 学術研究院農学系, 准教授 (00749244)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 植物-微生物間相互作用 |
研究成果の概要 |
葉緑体は光合成器官として広く知られているが、植物免疫にも関与している。しかし、光合成の場は巨大な葉緑体が多数発達した内側の葉肉細胞であり、植物の表皮細胞に葉緑体は存在しないとされてきた。近年、シロイヌナズナの表皮細胞に小さな葉緑体(表皮葉緑体)が存在することが認識されていたが、その生理的な役割は不明であった。本研究では、多くの病原糸状菌の侵入を防いでいる植物の表皮細胞に存在する表皮葉緑体に焦点を当て、その動的特性の病原糸状菌に対する免疫への関与を証明することに成功した。表皮葉緑体には複数の免疫因子が特異的に局在し、病原糸状菌の攻撃に応答して細胞内を移動することで侵入の阻止に貢献していた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、存在意義が不明であった植物の表皮葉緑体が病原糸状菌の侵入を阻止する防御応答に関与することが明らかとなり、学術的に重要な知見を得た。表皮葉緑体の細胞内移動を抑制した植物では病原糸状菌の表皮侵入に対する免疫が低下するが、この免疫低下は炭疽病菌やイネいもち病菌など複数の糸状菌に対して起こるため、広範な病原糸状菌に対する共通の免疫応答である可能性が考えられる。本成果を基盤に、病原糸状菌の攻撃を受けた際の表皮葉緑体の細胞内移動効率を上昇させるなど、その機能を増強する技術を開発できれば様々な病原糸状菌に抵抗性を示す免疫強化型植物の作出につながる可能性があり、社会的インパクトも期待される。
|