研究課題/領域番号 |
18K05646
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
多賀 正節 岡山大学, 自然科学研究科, 特命教授 (80236372)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 糸状菌 / 染色体 / ヘテロクロマチン / 走査電子顕微鏡 / ウリ類炭疽病菌 |
研究実績の概要 |
ヘテロクマチン(HC)は真核生物の染色体の構造維持,遺伝子発現,ゲノムの進化等において重要な役割を担う染色体領域であるが,植物病原糸状菌ではHCに関する知見は極めて乏しい。本研究課題は, AT-richの明瞭なHCを有するウリ類炭疽病菌Colletotrichum orbiculareをモデル材料とし,(1)超高分解能電解放射型走査電子顕微鏡(FE-SEM)によるHCの形態・構造の解明,(2)ファイバーFISH法によるヘテロクロマチンの分子構造(転移因子や非コード配列の種類と配置)の解析,を目的として3年間で完了する予定のものである。2年目の本年度は,前年に確立した手法を用いて(1)に関する詳細な解析を行い,以下の結果を得た。 まず,間期核ではユークロマチン(EC)領域は基本クロマチン繊維と推定される直径約13nmの繊維を含む直径10-40nm のクロマチン繊維から成るのに対し,HC領域は凝集したクロマチン塊から成っていた。次に,核分裂前期から中期にかけてEC領域ではクロマチン繊維の凝縮,HC領域では凝集塊から繊維への解離が進行した。中期ではECとHCのクロマチン繊維はほぼ同程度の太さ(直径約30-40nm)となり,両者の境界部には狭窄が存在した。また,中期ではHC領域内に存在するセントロメアの狭窄は不明瞭で,姉妹染色分体を示す縦裂溝も認められなかった。 植物病原糸状菌を含めて菌類のHCの微細形態をクロマチン繊維レベルで解析することに成功したのは本研究が最初であり,ここで得られた知見は菌類の染色体構造の理解に大きく貢献するものと考える。 なお,当担当者は令和2年3月で職を辞することに伴って第3年度の応募資格を喪失するので,本研究課題は当年度をもって廃止となる。
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