研究課題
基盤研究(C)
病害抵抗性の制御に関わる、植物細胞内情報伝達系の解析を進めてきた。特に、生体膜リン脂質代謝系に注目した。リン脂質代謝酵素であるフォスフォリパーゼCは7種のファミリーから形成されており、ファミリーごとに機能が異なると考えられている。そこで、7種のフォスフォリパーゼCの個々の機能の解析を進めることにした。さらに、フォスフォリパーゼCの下流で機能すると考えられている、ジアシルグリセロールの役割について解析した。実験手法として、ウイルス誘導ジーンサイレンシング法による遺伝子機能のノックダウン植物を作成し、病害抵抗性における役割を解析した。フォスフォリパーゼC4は、非親和性の青枯病菌に対する防御応答である過敏感反応(HR)の抑制に重要であることを明らかにした。フォスフォリパーゼC4が関連するHRの抑制には、活性酸素を介したシグナル伝達が重要であることを明らかにした。一方、PLCの下流で機能するジアシルグリセロールは、3つのクレードに分類される。PLC同様にクレードごとに機能が異なると考えられている。そこで、ジアシルグリセロールの3つのクレードについて個々の機能の解析を進めることにした。まず、クレードⅡに分類されるジアシルグリセロールに着目した。クレードⅡジアシルグリセロールには3つの分子種が存在し、そのうち2種が完全長のジアシルグリセロールをコードしていた。これら2つのクレードⅡジアシルグリセロールキナーゼは、サリチル酸・ジャスモン酸によって制御される防御応答関連遺伝子、カロースの蓄積を基にした基礎的防御応答に関わることを見出した。一連の成果は、国際学術雑誌に2報投稿し、掲載された。
すべて 2023 2022 2021 2020 2019 2018 2017
すべて 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 2件、 査読あり 13件、 オープンアクセス 11件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件)
Plant Biotechnology
巻: 40 号: 1 ページ: 87-92
10.5511/plantbiotechnology.22.1207a
巻: 40 号: 1 ページ: 77-81
10.5511/plantbiotechnology.22.1121a
巻: 38 号: 3 ページ: 373-378
10.5511/plantbiotechnology.21.0624a
130008091563
Physiological and Molecular Plant Pathology
巻: 116 ページ: 101724-101724
10.1016/j.pmpp.2021.101724
巻: 37 号: 3 ページ: 363-367
10.5511/plantbiotechnology.20.0511b
130007907451
Journal of Experimental Botany
巻: 71 号: 16 ページ: 5027-5038
10.1093/jxb/eraa233
巻: in Press
Plant Biotechnology
Plant Physiology and Biochemistry
巻: 125 ページ: 212-218
10.1016/j.plaphy.2018.02.002
Molecular Plant Pathology
巻: 19 号: 4 ページ: 975-985
10.1111/mpp.12583
巻: 102 ページ: 154-162
10.1016/j.pmpp.2017.12.007
巻: 20 号: 3 ページ: 334-345
10.1111/mpp.12757
巻: 印刷中 号: 2 ページ: 454-463
10.1111/mpp.12537