研究課題
基盤研究(C)
本研究は沖縄各地の遺跡より発掘されるジュゴン骨の古代DNAを対象とし、遺伝的多様性の推定を目的とした。沖縄県の遺跡から出土した骨試料を対象に実験を行なった結果、数十塩基対程度の古代DNAを抽出に成功した。本ミトコンドリアDNAデータと海外データを比較したところ、少なくともフィリピンを除く他海域集団とは異なるSNPを持つという結果が得られた。一方、NGSによる分析を試みた結果、対象由来のDNA回収量が予想を超えて遥かに微量であったことが影響し、詳細な分析が困難であった。2021年度からの研究課題では、ジュゴンのゲノムデータ取得と利用を予定しており、NGSによる詳細な分析の実施ができると考える。
国際自然保護連合によって絶滅危惧種に指定されている本種は、各国で食性や生息域といった生態調査から、個体群や地域集団のDNA分析など活発な研究活動が幅広く行われている。一方、わが国では目視観察や鳴音探知調査といった生息状況調査の他は、環境省(2004)以降行われていなかった。現生ジュゴン最北の生息地である沖縄近海を対象とし、かつ遺跡時代の個体を対象とした本DNA分析での成果は、得られたデータは僅かであったが、遺跡骨から抽出できるDNAの状態を把握し、現在進めているNGS分析の貴重な基礎データとして活用されている。
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