研究課題/領域番号 |
18K05748
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
宮沢 良行 九州大学, キャンパス計画室, 学術推進専門員 (80467943)
|
研究分担者 |
石田 清 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (10343790)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | 蒸散 / 光合成 / 積雪 / 冷温帯 / 樹液流 / 気孔コンダクタンス / 通水 / 通水特性 / 冷温帯林 / 通水性 / 優占樹種 / 生物物理モデル / 多雪地 / 通水器官 |
研究成果の概要 |
多雪地に生きる冷温帯林の代表的樹種のミズナラとブナの蒸散特性を水分生理特性に注目して明らかにした。積雪深度の異なる三地点、および除雪実験を実施して、開葉や蒸散の環境応答の違いを比較した結果、開葉には違いが検出されたものの、蒸散特性には明確な違いは見られなかった。蒸散を決める要素である樹液流速(蒸散で使われる水が流れる材部:辺材面積当たりの流速)は地点間で違いがなく、また大気条件への応答にも明確な違いはなかった。いずれの地点でも、冷涼でありながら初夏から秋の日中に蒸散の抑制がみられ、最適な光合成をおこなう上で葉が蒸散として必要とする水を、樹体が供給できていない実態が明らかとなった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本各地の多雪地の森林では、同様の気温・降水量の無雪地とは異なる炭素吸収や水利用が進むと考えられるが、本研究により水利用のうち蒸散には明確な異変がないことが明らかとなった。無雪地で得られた知見をそのまま用いて多雪地の炭素吸収や水利用を推定できることを支持はしないが、開葉後の蒸散やその大気環境への応答に積雪深度に沿った明確な傾向はないことが明らかとなった。多雪地では幹が冷却されがちになり、水輸送機能を担う道管の発達が遅れることが知られているが、その影響は微小あるいは開葉直後に限定されたせいかもしれない。またその時期は大気は冷涼湿潤であり、発達の遅れた水輸送機能が問題とならなかったのかもしれない。
|