研究課題/領域番号 |
18K05804
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
喜多村 稔 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(地球表層システム研究センター), 副主任研究員 (00392952)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 動物プランクトン / 種多様性 / 西部北太平洋 / 亜熱帯外洋 / 多様性 / 低気圧性渦 |
研究実績の概要 |
時系列観測点S1(30N, 145E)にて得たアーカイブ標本の分析から、クラゲ類の群集構造解析を行った。その結果、Lensia属において種多様性と個体数密度が高く、表層ではL. subtilisが、深層ではL. multicristataが卓越した。また、管クラゲ類の未記載種を0~50m層より発見した。本種は、5本の "ridge" を有すること、泳嚢開口部の脇に3本の歯状突起を有すること、深い "hydroecium" を有することからDiphyies属に含まれる。一方、体嚢上部の2突起と泳鐘下部の "mouth-plate" 上に有する突起により、既知のDiphyes属4種とは明確に区別できる。現在までに得られている標本数は1個体のみであり、新種記載論文の執筆を行うために、アーカイブ標本の観察を進めて複数個体の標本を得る努力を続けている。
また、2021年度終盤に西部北太平洋亜熱帯域(25~36N, 145~170E)にて採集した標本セットを用い、ニューストン性動物プランクトンの群集構造解析を行った。カニ類メガロパ幼生は形態学的知見が乏しい分類群であるが、6科7種および科不明4種の計11種が認められた。黒潮続流の強流帯に近い34N以北の測点で個体数密度が高く、黒潮続流による沿岸域からの移流が亜熱帯外洋域に本動物群を供給していることが示唆された。黒潮続流の北側にあたる移行域には1測点しか設けることが出来なかったが、この移行域測点および黒潮続流の蛇行が切り離されて形成される中規模渦内部の測点では、34N以北であってもメガロパ幼生の出現は認められなかった。一方、浮遊性エビ類のうちユメエビ属は、30~32Nにて高い個体数密度を示し、日周鉛直移動は認められなかった。また、ウミアメンボ類は、160E以東で広く出現し、145~155Eではほとんど採集されていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
以下の理由により進捗が遅れている。 ・新型コロナウイルス感染症拡大に伴い自宅テレワークを併用したため、顕微鏡観察にあてる時間が短くなったこと ・自分自身および家族が新型コロナウイルスに感染したため、休養を取ったり看病をする必要が生じたことで研究時間が短くなったこと ・補正予算による研究棟改修工事が具体化され、実験室の再配置など調整業務が増えたこと
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今後の研究の推進方策 |
時系列観測点S1より得られたクラゲ類の標本観察を続け、本分類群の群集構造および日周鉛直移動について論文化する。アーカイブ試料の観察から未記載種Diphyies sp.の追加標本が得られれば、これら複数標本の形態観察を実施して、新種記載論文を発表する。 2021年度終盤の航海で得られた標本分析を続けて、ニューストン性動物プランクトンにおける群集構造の水平変化を記述し、海洋構造との関係を明らかにする。ニューストンは海洋の極表面に分布する生物の総称であり、その分布には海水の流れと共に風の影響も受けることが予想される。群集構造の水平変化を考察する際には、NCEP再解析データを用いて風の影響も加味する。 論文執筆と共に、国内学会および国際学会にて成果の一部を発表する。
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