研究課題/領域番号 |
18K05823
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
小田 達也 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(水産), 客員研究員 (60145307)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 赤潮 / シャットネラ / 活性酸素 / 溶血毒素 / ポルフィリン / 抗菌活性 / 細胞毒性 / 抗がん作用 / ヘテロカプサ / カレニア / ポルフィリン誘導体 / 溶血因子 / 微細藻類 / プランクトン / 渦鞭毛藻類 / 光依存性 |
研究成果の概要 |
多くの赤潮プランクトンは活性酸素産生能を有するが、シャットネラは最も高いレベルの活性酸素を産生する。シャットネラの活性酸素産生能と魚毒性はよく相関することがわかった。活性酸素に加え、赤潮プランクトン、特にヘテロカプサやカレニア種は強い溶血活性を示す。溶血因子の1つは細胞内に局在するポルフィリン誘導体である事を見出した。本ポルフィリン誘導体は光照射により化学変化が誘導され、一重項酸素を産生する。この機構により、細胞膜破壊を引き起こし、赤潮プランクトン自身、がん細胞やグラム陰性菌に強い細胞毒性を示す。物理的細胞破壊により遊離したポルフィリン誘導体は赤潮防除因子として作用する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
赤潮は海洋性微細藻類の大量増殖で発生海域が変色する自然現象で、しばしば天然及び養殖の魚介類の大量斃死を伴うことから、海洋食糧資源保全の観点から解決すべき重要な課題となっているが、その毒性機構の詳細は依然不明である。本研究ではシャットネラ等、主要な赤潮原因種の毒性因子として活性酸素と溶血因子を見出した点は、赤潮研究分野においては重要な知見となる。多くの主要な赤潮原因プランクトン細胞内には共通して光依存性の溶血因子を含んでおり、物理的細胞破壊は毒性消滅に加え、細胞外に遊離した溶血因子による周囲のプランクトン細胞を死滅させる効果も発揮する。従って、本研究成果は有効な赤潮防除対策法の確立に貢献できる。
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