研究課題/領域番号 |
18K05832
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
廣井 準也 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (20350598)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 超解像イメージング / 塩類細胞 / 細胞・組織 / 水産学 |
研究実績の概要 |
真骨魚類の鰓に局在する塩類細胞は、Na+とCl-の排出・取り込み、H+の排出、アンモニアの排泄といった重要な生理機構を担っている。塩類細胞が外部環境と接する頂端膜にはNa+/H+交換輸送体(NHE3)が特異的に発現するが、淡水環境においてNHE3がNa+の取り込みを行うことは熱力学的に不可能と考えられてきた。しかし近年、アンモニアトランスポーターRhcg1が塩類細胞の頂端膜に共発現し、頂端膜の内側のH+濃度を上昇させるとともに頂端膜の外側のH+濃度を低下させることによって、NHE3がNa+の取り込みを行うというモデルが支持されるようになった。また、サケ科魚類の塩類細胞において、上記のイオン輸送の起電力となるNa+/K+-ATPase(NKA)に淡水型NKAalpha1aと海水型NKAalpha1bの2アイソフォームが存在することが知られているが、NHE3b、Rhcg1、NKAalpha1a、NKAalpha1bの細胞内局在は不明なままであった。そこで今年度は、淡水および海水に順応させたニジマス、サクラマス、シロサケ、大西洋サケスモルトについて、これらトランスポーター群の細胞内局在を超解像イメージング技術によって観察した。どの魚種においても、淡水ではNHE3bとRhcg1を頂端膜に共発現させている塩類細胞はNKAalpha1aとNKAalpha1bの両方を側底膜に発現させていたが、海水ではNKAalpha1aの発現量が顕著に減少した。NHE3bとRhcg1をもたず単独で存在する塩類細胞は淡水でNKAalpha1aとNKAalpha1bの両方を側底膜に発現させていたが、海水では細胞の数が顕著に減少した。前年度までの頂端膜のトランスポーター群に加えて、側底膜のトランスポーター群の発現様式を解明することによって、塩類細胞の機能的モデル化が進展すると期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍のために延期となっていた、ノルウェー・ベルゲン大学におけるサケ科魚類をもちいた飼育実験を、2023年6月に実施することができた。2024年6月に来日するベルゲン大学の共同研究者と解析をさらに進めることによって、目標の達成が可能となる。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度にサンプリングをおこなったニジマス、サクラマス、シロサケ、大西洋サケスモルトについて、最新の超解像レーザー顕微鏡(Zeiss LSM900 with Airyscan2)とデコンボリューションソフトウェア(SVI Huygens Essential)を組み合わせた超解像イメージングによって、NKAalpha1a、NKAalpha1b、NHE3b、Rhcg1などの浸透圧調節・アンモニア排泄関連トランスポーター群の細胞内局在変化を可視化する。
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