研究課題/領域番号 |
18K05835
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
|
研究機関 | 東洋大学 (2019-2020) 国立研究開発法人海洋研究開発機構 (2018) |
研究代表者 |
小林 英城 東洋大学, バイオ・ナノエレクトロニクス研究センター, 客員研究員 (40399564)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | カイコウオオソコエビ / 外骨格 / 結晶性炭酸カルシウム / 炭酸塩補償深度 / アルミニウム / グルコノラクトン / 炭酸カルシウム / 水酸化アルミニウム / 新型コロナウイルス / 緊急事態宣言 / 高水圧耐性 / 深海生物 / ヨコエビ |
研究成果の概要 |
カイコウオオソコエビは、水深8000mより深い所に棲息する深海性ヨコエビである。本研究では、カイコウオオソコエビ外骨格について解析を行った。その結果、通常の甲殻類と同様に結晶性炭酸カルシウムの存在が確認できた。カイコウオオソコエビは、炭酸塩補償深度(約5000m)よりも深い所に生息しているため、結晶性炭酸カルシウムは溶解するはずである。そのため、何らかの保護機構が存在することが予想された。そこで、外骨格表面について特性X線回折を行った。その結果、アルミニウムが外骨格表面を覆い、保護していることがわかった。アルミニウムは、海底堆積物からグルコノラクトンで抽出していたことも判明した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的な意義は、カイコウオオソコエビの深海適応機構の一つが解明されたことにある。また、アルミニウムを生物が利用した報告はなく、カイコウオオソコエビが初めての例であった。さらに、2℃という低温、100MPaという高水圧下において海底堆積物からアルミニウムを抽出できる物質を発見した。 社会的意義は、地球温暖化ガス発生量2位の冶金産業において、エネルギーを使わず、鉱物からアルミニウムを抽出できる方法を示したことにある。カイコウオオソコエビのグルコノラクトンによるアルミニウム抽出は、鉱物から低温、弱酸性下で可能であり、環境負荷が非常に低かった。今後の地球温暖化対策の一つとして期待できる。
|