研究課題/領域番号 |
18K05908
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41040:農業環境工学および農業情報工学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
淡野 公一 宮崎大学, 工学部, 教授 (50260740)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 噴霧器 / ナノミスト / ホルモン剤散布 / 液剤噴霧 / 薬剤噴霧 / 液剤散布 / 薬剤散布 / 農薬 / 自動化 / ナノオーダー / 農業 / ホルモン剤 |
研究実績の概要 |
2022年度の実験結果から,ナノミスト噴霧器によるホルモン剤噴霧は,希釈倍率を下げホルモン剤原液量を増加させることでトマトの着果率が向上することが確認できた。また,希釈倍率を5倍にすることで着果率は約98%となり,従来の手散布でのホルモン剤噴霧による着果効果を超える結果が得られた。ただし,この実験では希釈倍率を過度に低下させたため,コストの増大および植物への影響が懸念される。そこで2023年度には,実験環境を維持した上で希釈倍率が5倍より高い30倍および50倍での実験に取り組んだ。30倍および50倍の実験は,同時期に同じビニールハウス内で,区画を分けて実施した。しかし,実験中に同ビニールハウス内で尻腐れ病が発症し,実験で使用したトマト株もこの病害の影響を受けた。そのため,30倍および50倍での着果率はどちらも想定より低い着果率となった。また着果率低下のもう一つの原因として,噴霧間際の花の急増加がある。2022年度の実験では噴霧終了2日前から平均7花程度増加し続けたが,30倍の実験では噴霧終了2日前から平均21花程度増加し続けた。本実験は目標の噴霧量に達した時点で噴霧を終了するため,後半に咲く花の方がホルモン剤の付着機会が著しく減少し,特に30倍の実験エリアでは着果率が大幅に低下したものと考えられる。一方,30倍および50倍の着果率を比較すると,30倍の方が高い着果率となったため,噴霧するホルモン剤の原液量と着果率には正の相関があることが再確認できた。また,ナノミスト噴霧器における噴霧量の温湿度依存性の評価実験を行った。その結果,気温が高く湿度が低いときに噴霧量が増加する傾向を確認でき,飽和水蒸気による影響の可能性が高いと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまで以上にスピードを上げて実験に取り組んでおり,実験結果が積み上がってきた。今後は,液剤の噴霧実験と環境依存性の実験を重ねて,その信頼性を上げる必要がある。また,シリンダの改良についてもかなり進んでおり,まだ詳細については学会等で発表していないが,シリンダをアクリルやガラスで作成し,ベンチュリー効果の様子や内部での液の流れを見ることができるようになってきている。今後も改良を重ね,可視化にも取り組む。
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今後の研究の推進方策 |
まず,これまでの実験データの信頼性を高めるために,トマトの着果実験を引き続き行う。その中でホルモン剤の希釈倍率を変更し,最適な希釈倍率を特定し,また噴霧エリアや噴霧期間などについても精査し,ナノミスト噴霧器によるホルモン剤の自動噴霧化の実用化を目指す。加えて,実用化に向けてナノミスト噴霧器自体の性能調査も必要であることから,噴霧性能の噴霧環境依存性の評価も並行して行う。特に,2023年度の温湿度依存評価実験で不明であった噴霧性能に影響を及ぼす温湿度以外の要素の特定を目標とする。これまでの実験では,噴霧量を噴霧前後のシリンダー重量を測定し,それらの差により求めていた。しかし、高い湿度下においては空気中の水分がシリンダー内の液体と混合してしまい正確な噴霧量計測ができていなかった可能性がある。今後の実験においては新しい噴霧量の計測方法を考案する必要がある。まず,閉鎖的な空間と開放的な空間における噴霧量の差およびその時の温湿度を計測し,どの程度空気中の水分が還元しているのかを確認した後に過去の実験データがどの程度影響を受けていたのかを概算し,今後の実験を行う上での指針を立てる必要がある。その指針の結果,影響が大きいと考えられる場合は,ナノミスト噴霧器の噴口部や底部隙間に加工を施し,空気中の水分を除去する工夫が必要となる可能性がある。
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