研究課題/領域番号 |
18K05980
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
鈴木 由紀 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (30712492)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | インフルエンザウイルス / ゲノムパッケージング / RNA二次構造 / 相互作用 / RNA-RNA相互作用 / GC-richモチーフ |
研究実績の概要 |
A型インフルエンザウイルス(IAV)は、異なる遺伝子をコードする8本の分節型vRNAが1つのウイルス粒子に取り込まれることにより、感染性のウイルス粒子が産生される。このvRNAの取り込み機構(ゲノムパッケージング)はヌクレオプロテイン(NP)に巻きついた1本鎖のvRNAが異なるvRNA分節と相互作用することによって起こると推測されている。本研究はNPを巻くvRNAがRNA-RNA相互作用を起こすゲノムパッケージング機構を明らかにすることを目的に、今年度はHAセグメントに注目をしたHAセグメントのパッケージングシグナル領域の配列解析ならびに二次構造予測、およびRNA-RNA相互作用を解析するためのRNA合成などを行なった。 H1-16亜型をそれぞれ解析した結果、亜型間で共通してHAの5'末端領域は保存されていたが、亜型内で保存されている塩基配列やそのゲノムポジションは亜型間で異なっていた。例えば、5'末端領域は連続したGCリッチなモチーフ配列が保存される傾向にあったが、GCの配列パターンや長さは亜型間で異なっていた。HAセグメントのパッケージング嗜好性は亜型間で異なることが報告されていることから、このような配列パターンの違いがパッケージングの思考性に関与している可能性が示唆された。また、HAセグメントの二次構造予測を行なったが、どのHA亜型においても5'末端領域で二次構造は予測されなかった。従って、HAセグメントは二次構造を形成しない状態でその他のvRNA分節と相互作用している可能性が示唆された。 今後は、予測されたGCリッチモチーフがHAのゲノムパッケージングに関わることを実験的に証明する。また、その他のセグメントにおけるRNA二次構造の解析、ならびにB、C、D型インフルエンザウイルスのパッケージングシグナルを解析し、IAVとの比較解析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
H1-16亜型のHA配列の解析を行い、IAVのHAの5'末端領域でHAセグメントのゲノムパッケージングに関わる可能性があるGCリッチなモチーフ配列を同定し、そのモチーフ配列の塩基パターンや5'末端内におけるゲノムポジションはHA亜型間で異なることを明らかにした。また、この5'末端はどのHA亜型においてもRNA二次構造を形成しない可能性を明らかにした。 そこでHA 5'末端領域のGCリッチモチーフがその他のvRNAセグメントのRNA-RNA相互作用に関わることを明らかにするために、今後、RNAをハイブリダイズさせるin vitro実験を行う予定である。現在、その実験準備を進めており、H1、H3およびH4亜型のHAおよびその他のパッケージングシグナルをコードするRNAの合成を行なっているが、全てのセグメントのRNAを合成する作業に時間がかかっており、研究の進捗がやや遅れている。 また、より多くの異なる亜型のIAV配列を用いた実験解析を進めるために、カモおよびウマから分離されたIAVの塩基配列を決定を同時に試みている。現在、次世代シーケンサーで塩基配列を決定するためのライブラリ調整が完了したので、近日中にこれらIAVの塩基配列が決定する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
1. HAセグメントの5'末端領域で保存されているGCリッチモチーフがその他のvRNA分節との相互作用に関わること、また、HAセグメントと相互作用するセグメントの種類を明らかにするために、in vitro合成したRNAを用いてRNAのハイブリダイズ実験を行う。その際には、合成したH1、H3、H4亜型の全セグメントの合成RNAを実験に用いる。 2. ゲノムパッケージングに関わるモチーフ配列に対する相補的なLNAオリゴを細胞にトランスフェクションすることによって、IAVのゲノムパッケージング効率が低下することをIAVの感染実験によって明らかにする。 3. ゲノムパッケージングに関わる可能性があることが予測されたモチーフ配列の塩基配列を改変したIAVを作製し、ゲノムパッケージング効率が低下することを確認する。 4. その他のセグメントにおいても網羅的なRNAの二次構造予測を行い、パッケージングに関わるRNA二次構造の探索を行う。パッケージングシグナルにRNA二次構造領域が予測された場合、上記実験1-3の実験を行うことにより、ゲノムパッケージングに関わることを確認する。 5.新たに B型、C型、D型インフルエンザウイルスのパッケージングシグナルの探索を行い、IAVのパターンと比較解析する。
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