研究課題
基盤研究(C)
フロリゲンは植物で花が咲く時期を決定している開花ホルモンであり、葉で合成され茎頂へ移動して花成を促進する。これまで我々はフロリゲン受容体を発見し、フロリゲンとの活性化複合体の構造を決定し開花促進機構を明らかにしてきた(Nature 2011)。この受容体は栄養成長期には花成リプレッサーとの相互作用を介し開花抑制を行っている事が新たに分かってきた。そこで本研究では花成リプレッサーと受容体からなる開花抑制複合体の解析を行い、分子構造を高分解能で決定する事に成功した。両複合体の構造比較と生化学的アッセイから、受容体上でフロリゲンと花成リプレッサーが競合し置き換わる開花促進抑制機構のモデルを構築した。
我々は植物の花成研究において、フロリゲンを同定し、新規な受容体を発見し、間違いなく世界に先んじている。特に同定されたばかりの受容体の情報を独占的に用いて研究を進められる事は非常に大きなアドバンテージである。本研究はイネのフロリゲン研究のこれまでの蓄積を生かし、さらに世界をリードするフロリゲン生物学の展開を目指すものであり、研究手法も原子レベルの立体構造解析から細胞、個体レベルの機能解析、植物改良まで含む複合的な研究である。フロリゲンを用いて改良した作物は遺伝子組換え技術を用いないため、現実的な食糧増産対策になり、産業に与える影響は極めて大きい。
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