研究課題
基盤研究(C)
冬型の急性胃腸炎、食中毒の原因ウイルスとして知られるヒトノロウイルス(HuNoV)は株化培養細胞で増殖させることができず、感染モデルとなる小動物も存在しないことが研究の障壁になっている。近年、近縁のマウスノロウイルス(MNV)の感染受容体となるタンパク質が同定され、ようやくMNVの感染に関する分子レベルの研究が可能な状況となった。本研究では、MNVの感染受容体として同定されたCD300lf及びCD300ldと、MNVのキャプシドタンパク質であるVP1の相互作用解析を行うとともに、その相互作用を妨げる分子の探索を行った。
本研究の意義は、第一にはMNVの感染・増殖機構に関する分子的な理解が深まることにより、さらにMNVについての研究に用いられる実験系が増え、MNVに関する研究をより推進することにある。第二に、HuNoVの感染・増殖機構の理解やHuNoVのワクチンの開発のための基盤構築としての意味合いが挙げられる。MNVに関する研究はHuNoVの研究進展に直結する重要課題である。現時点で可能なMNVの実験系を利用し、HuNoVの理解を深めることでその期待に応えることにつながる。MNV及びHuNoVの感染・増殖メカニズム解明を目指した本研究成果は、学術的な側面だけでなく社会的な価値を与えるものである。
すべて 2020 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 備考 (1件)
Scientific Reports
巻: 10 号: 1 ページ: 22102-22102
10.1038/s41598-020-78926-7
International Journal of Molecular Sciences
巻: 21 号: 7 ページ: 1-19
10.3390/ijms21072452
https://www.yokohama-cu.ac.jp/news/2020/20210202oozekiyasuhiro.html