研究課題/領域番号 |
18K06104
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岸本 拓磨 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教 (70585158)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 細胞膜 / リン脂質 / 非対称分布 / ステロール / フリッパーゼ / 膜タンパク質 / 物理状態 / 脂質極性分布 / リン脂質膜非対称性 / 脂質輸送タンパク質 / 脂質分布 / リン脂質非対称性 / 出芽酵母 / 脂肪滴 / 脂質輸送 / 小胞体 / 脂質非対称性 / 膜透過性 / 脂質ドメイン |
研究成果の概要 |
細胞膜の脂質二重層間ではリン脂質は非対称分布を示すが、その生理的意義は完全に解明されていない。我々は、細胞膜リン脂質非対称性制御に関わるフリッパーゼ遺伝子(lem3とcrf1)とsfk1遺伝子の変異が合成致死性を示すことを見出した。そこで、本研究ではこれら遺伝子の条件致死変異株を作製し、その表現型解析を行った。その結果、変異株ではリン脂質非対称性分布の顕著な異常とそれに伴った細胞膜ステロールの喪失が起こっている事が明らかとなった。細胞膜ステロール分布が回復する処理により生育が回復した事から、細胞膜のリン脂質非対称性が維持される事が、ステロールの恒常性維持に必須な機能を持つ事が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
リン脂質非対称分布は細胞の中においても細胞膜二重層で最も顕著に認められる現象である。酵母からヒトに至るまで真核生物共通にみられる現象である事から、そこには重大な機能が存在すると思われる。本研究では、リン脂質非対称分布が細胞膜ステロール恒常性を制御し、細胞に必須であること初めてを明らかにした。現在までに理論科学的な推測であった細胞膜のステロール保持に関わる機序について、本研究によって生体内での可能性が初めて示された。この現象をより詳細に解明する事で、将来的には、神経変性疾患で見られるコレステロール分布異常を指標に、その抑制を目指した新たな治療法の開発に発展する可能性を期待している。
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