研究課題
基盤研究(C)
本研究は,ボツリヌス毒素複合体由来レクチンの立体構造解析データをもとに,我々が意図して糖鎖結合能を変化させて創出したGg試薬が,マウス脳内ランビエ絞輪に存在する糖タンパク質の,時空間的な発現を観察するツールになり得ることを見いだしたものである.ランビエ絞輪は跳躍伝導で重要な役割を果たしていることからその形成不全は様々な神経疾患に繋がることが知られており,またアストロサイトの結合部位としての役割があり,詳細な解析は脳機能研究において重要である.我々は,生後14日目以降にGg結合性糖タンパク質が増加し,26日目で形成が完成することを見いだした.
跳躍伝導に重要な役割を果たすランビエ絞輪には,多種類の糖タンパク質性細胞外マトリクスが存在しているが,それら個々の機能・役割についてはいまだ未解明の部分が多い.我々の開発したGgレクチンは脳内のランビエ絞輪に特異的に存在する糖鎖を認識して強く結合する新たなランビエ絞輪検出試薬としての利用が考えられるほか,今後結合糖タンパク質の同定やそれらの集積のメカニズムの解明等Gg結合糖タンパク質の性質の理解が深まれば,神経伝達障害等で原因未解明の疾患の病因解明に繋がる可能性もあり,この新たなツールを使って種々の検体を観察し病態との関係を検証することが待たれる.
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