研究課題
基盤研究(C)
遊離の D-グルタミン酸(D-Glu)の合成活性を有する酵素として最近同定した、ラット Glu ラセマーゼ(L-Glu と D-Glu の相互変換を触媒する酵素)を大腸菌で発現させて精製し、その酵素学的性質・機能を解析した。また、哺乳類由来の培養細胞株を用いて、本酵素が細胞内および細胞外アミノ酸含量に与える影響を解析した。本研究結果から、ラット Glu ラセマーゼが細胞内において D-Glu 合成酵素として機能していることが明らかになった。また、L-セリンおよび L-スレオニンの脱水による分解反応を触媒する L-セリン/L-スレオニンデヒドラターゼとしても機能していることが明らかになった。
我々は以前に、生体内で D-グルタミン酸(D-Glu)を分解する酵素を同定し、この酵素の発現レベルが心不全モデルマウスで低下していることなどを明らかにした。すなわち、哺乳類は D-Glu の合成および分解経路を備えており、心機能に関連する新奇な生理活性物質として D-Glu を利用していると考えられる。本研究では、ラット Glu ラセマーゼ(L-Glu と D-Glu の相互変換を触媒する酵素)の酵素学的性質・機能のほか、種々のアミノ酸の細胞内および細胞外含量に与える影響を解析した。本研究成果は、心不全に至る分子機構の解明や、心不全の予防薬の開発にもつながる可能性を秘めていると考えられる。
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