研究課題
基盤研究(C)
浸潤突起は、がん細胞が形成するアクチン繊維に富む細胞膜の突起構造で細胞外基質分解活性を有し、がん細胞の浸潤転移において重要な役割を果たす。浸潤突起の形成と機能には微小管とアクチン繊維の相互作用が不可欠であるが,その分子メカニズムは十分明らかになっていない。また、浸潤突起には小胞輸送により細胞外基質分解酵素などが極性輸送されるがその制御機構についても未解明の点が多く残されている。本研究では,微小管とアクチン繊維のクロストークに関わるMAPタンパク質と浸潤突起への細胞外基質分解酵素の輸送に関わるSNAREタンパク質に特に注目し、浸潤突起形成および浸潤転移機構の一端を解明した。
がんによる死因の90%は、がん細胞の浸潤・転移が関係している。乳がんにおいても、転移の無い場合の5年生存率は99%だが、転移すると27%に低下する。本研究は、悪性度の高い乳がん細胞の浸潤転移に関わる機構の一端を分子レベルで解明したものであり、学術的な意義にとどまらず、新規の診断・治療標的として利用できる可能性も秘めている。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件)
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