研究課題/領域番号 |
18K06148
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金井 隆太 東京大学, 定量生命科学研究所, 特任助教 (50598472)
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研究分担者 |
恒川 直樹 東京大学, 定量生命科学研究所, 特任研究員 (90638800)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | Na+,K+-ATPase / イオン能動輸送 / 膜蛋白質 / X線結晶構造解析 / 能動輸送 / イオン選択性 / 電子顕微鏡単粒子解析 / 脂質二重膜 / Na+ポンプ / イオン選択機構 / 量子化学計算 |
研究成果の概要 |
Na+,K+-ATPaseは全ての動物細胞の細胞膜に局在し、ATP 1分子の加水分解エネルギーを利用して3個のNa+を細胞外へ、2個のK+を細胞内へ濃度勾配に逆らって輸送する膜蛋白質である。Na+の選択的輸送の理解に向けてNa+を結合した直後の状態、すなわちE1・3Na+状態の構造解析を行った。また、E1・3Na+状態の結晶を用いて、E1・Mn2+状態の構造、ATPアナログと結合したE1・3Na+状態およびE1.Mn2+状態の構造も明らかにした。これらの構造解析から、Na+ポンプはNa+を結合した時のみ燐酸化状態に進める、言わば安全装置のような仕掛けがあることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Na+,K+-ATPaseは生体内ATPの60%以上を消費するとも言われ、それによって形成されるイオン濃度勾配は様々な生命活動の基盤を成している。Na+,K+-ATPaseの異常は神経変性など多くの疾患の原因となるだけでなく、癌などに対する薬剤標的としてもNa+,K+-ATPaseは有用であることが多く示されている。したがって、その能動輸送の詳細な理解は学術的にも産業的にも重要である。本研究はなぜ、Na+だけを選択的に輸送できるのか、その仕組みを原子レベルで明らかにした。その巧妙な仕組みは学術的に興味深いだけでなく、遺伝性疾患におけるNa+,K+-ATPaseの異常の理解にも役立つものである。
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