研究課題/領域番号 |
18K06173
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
石田 恒 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子生命科学領域, 上席研究員(定常) (60360418)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | ヌクレオソーム / DNA / 構造変化 / 遺伝子発現 / ねじれ / 分子動力学シミュレーション / 自由エネルギー計算 / DNA解離 / ヒストン / 自由エネルギー |
研究成果の概要 |
分子動力学シミュレーションを用いた自由エネルギー計算により、染色体セントロメア領域にあるCENP-AヌクレオソームのDNA解離は、通常のヌクレオソームのDNA解離に比べて起こりやすいことがわかった。更に、RNAポリメラーゼが生成するねじれ力を模した力を通常のヌクレオソームDNAの両端に作用させる分子動力学シミュレーションを実施した。その結果、左巻きのねじれの力を加えると、DNAはヒストンから離れやすくなり、逆に右巻きのねじれの力を加えると、DNAはヒストンから離れにくくなった。その原因は、DNA二重らせん構造という幾何学的特性とDNAの物性的特性(柔らかさ、曲がりやすさ)によることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヌクレオソームのDNAに作用するねじれの力が、ヌクレオソームの大規模な構造変化を引き起こすことがわかった。その分子論的原因は、DNAが右巻きのらせんの形をしている幾何学的特性とDNA固有の物性的特性(柔らかさ、曲がりやすさ)に起因することがわかった。このことはヌクレオソーム構造変化を伴う複雑な遺伝子発現メカニズムが「DNAのらせん構造」と「ねじれの力の向き」といった単純な仕組みによっても調節されている可能性を示している。本研究は、分子動力学シミュレーション法を最大限に活用したヌクレオソームの機能発現メカニズムの解析であり、将来的に遺伝子発現機構の全容解明につながる。
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