研究課題/領域番号 |
18K06178
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43050:ゲノム生物学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
久保 健一 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任助教 (60403359)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2018年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 自他識別 / 協調的非自己認識 / 自家不和合性 / 分子進化 / ゲノム生物学 / S-RNase型自家不和合性 / 植物ゲノム生物学 |
研究成果の概要 |
ナス科ペチュニアのゲノムDNAについて、ロングリードシークエンスを行った。自家不和合性において自他識別の特異性を制御する雌ずい側発現S-RNase遺伝子と、20個前後存在する花粉側発現SLFs遺伝子の複数の対立遺伝子に対し、それぞれ周辺領域100kb以上を含む精度の高いコンティグを得た。 自他識別において異なる特異性を示すS-ハプロタイプ間での遺伝子周辺領域の比較から、S遺伝子座間で大規模なゲノム断片の組換えや転座が起きている様子を明らかにすることができた。S遺伝子座は、大規模なゲノム断片間の組換えを介して、自他識別に都合の良いSLF遺伝子を獲得することで進化してきたと示唆することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自他識別特異性を維持するためには、雌ずい側因子と花粉側因子はユニットとして遺伝する必要がある。そのため、これまでS遺伝子座内では、組換えが抑制されていると考えられてきた。しかしながら、実際にはナス科のS遺伝子座はSハプロタイプ間での組換えを積極的に利用し、より効率的に非自己S-RNaseを解毒するSLFレパートリーを獲得し、受精の効率を最適化していることが判った。動物の獲得免疫にも似たメカニズムを、植物が集団レベルでどのように進化させてきたのか、理解が深まったと言える。植物がどのように生物多様性を持続させているのか、重要な知見を得ることができた。
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