研究課題/領域番号 |
18K06182
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43050:ゲノム生物学関連
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
秋山 昌広 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (80273837)
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研究分担者 |
大島 拓 富山県立大学, 工学部, 准教授 (50346318)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | DNA複製 / 複製フォーク / 微生物ゲノム / 複製遅延 / ゲノム不安定化 / チミン飢餓死 / 染色体構造タンパク質 / 転写伸長因子 / ゲノム複製 / DNA複製フォーク / ゲノム不安定性 / ヒストン様タンパク質 / 鋳型スイッチ / 染色体高次構造 / 複製遅延領域 / 複製と転写の衝突 / DNA複製阻害 |
研究成果の概要 |
チミンの欠乏(飢餓)による複製阻害は、細胞死(チミン飢餓死)を生じる。しかし、そのメカニズムは、DNA複製がゲノム全域に渡って解明されていないため、未だに謎である。本研究では、その解明を目指し、大腸菌を用いて以下の成果を得た。(1)大腸菌ゲノムは複製進行の動態が異なる2つの領域に分かれること、そして(2)それらの境界は、チミン不足に依存して複製を遅延する領域(FTZと命名)であること。また、(3)染色体構造タンパク質H-NSと転写伸長因子DksAが、FTZでの複製の遅延に関与すること。さらに、(4)FTZで複製の進行を遅延できないと、チミン飢餓時のゲノム不安定化が亢進することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、大腸菌のゲノムが、チミン不足に依存して特定のDNA領域で複製を遅延するように、染色体高次構造によってプログラムされている可能性を示した。さらに、この複製遅延が、チミン飢餓時のゲノム恒常性維持と関係する可能性も示した。これらは、染色体の複製を理解する上で重要な、新規の学術的知見である。 チミン欠乏によるチミン飢餓死は医薬品の作用機序として現在でも利用されているが、その発見から60年以上たっても、細胞死のメカニズムは謎のままである。本研究で得られた知見は、チミン飢餓死の研究に新たな視点を提供する。それは、今後、チミン飢餓死のメカニズム解明に寄与して、社会的意義を持つことが期待される。
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