研究課題
基盤研究(C)
生物を構成する細胞には、オートファジーという自らのタンパク質などを分解し再利用するメカニズムが備わっている。私の所属研究室においては、オートファジーには大きく二つの経路(通常型と新規)があることを以前に報告した。両経路においてタンパク質Ulk1が必須であることがわかっていたが、その制御機構は明らかになってなかった。本研究において、Ulk1タンパク質はセリンの746番目のリン酸化によって制御されることで、下流の二つのオートファジーへの分岐が調節されていることが明らかとなった。さらに、このリン酸化を目印に使うことで生体内での二つの経路を区別しその活性状態をモニタリングできるようになった。
オートファジーは様々な生体現象や疾患にとって重要であることがわかっているが、その中で二種類のオートファジーが、どのように使い分けられているのかは、これまで不明だった。本研究は、その制御メカニズムを発見したもので、オートファジー研究に重要な知見を与えるものである。さらに、今回作製したUlk1の746番目セリンのリン酸化抗体を用いることにより、新規オートファジーを捕捉することが初めて可能となったことから、新規オートファジーに関する研究の今後の発展が期待でき、将来的にはオートファジー異常に関連した疾患治療のための医薬設計に指針を与える可能性がある。
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すべて 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 2件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 10件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件、 招待講演 4件) 備考 (2件)
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